レントシーバー

アンテナの仕組みや種類・電波の特徴を分かりやすく解説

通信技術が発達する中で、日常においてさまざまな場面で無線通信を目撃することが増えています。テレビ、ラジオ、携帯電話、Wi-Fi、無線機など、無線通信機の種類はさまざまですが、共通して備えているのがアンテナです。無線通信を行うためには、音声などのデータを電気信号に変換し、電波として送受信するアンテナが必要です。アンテナが接続されていなければ無線通信は行えず、情報をやりとりできません。

この記事では、無線通信におけるアンテナの仕組みや種類、電波の特徴や電波法について解説します。また、免許が不要な無線機についても伝えているため、気軽に無線機を利用したい方はこの記事をご一読ください。

 

アンテナとは

アンテナとは、電波を送信・受信するための装置です。「アンテナ」という外来語が定着する以前は、「空中線」と呼ばれていました。無線機・携帯電話・テレビ・カーナビゲーション・ラジオなどの機器には、アンテナが組み込まれています。

 

アンテナの仕組み

アンテナは空間に放出された電波を効率よく捕まえて受信し、送信する際には、アンテナが電気信号を電波に変えて空間に放出することで通信を行います。アンテナの仕組みの具体例として、テレビと無線通信機の2つの例から解説します。

テレビ(映像通信)の送受信方法
1 放送局で作られた映像を、光の三原色を表す電気信号に置き換える
2 テレビ塔に設置した送信アンテナから電気信号を電波として空間に放出する
3 各家庭に設置されたアンテナが電波を受信する
4 アンテナが受け取った電波を再び電気信号に変換してテレビに流す
5 テレビ画面に映像が映る
無線通信機(音声通信)の送受信方法
1 送信側の無線機が音声の波形を電気信号に変換し、アンテナに送りこむ
2 アンテナが電気信号を電波に変えて放出する
3 受信側のアンテナが電波を受け取る
4 アンテナが受け取った電波を電気信号に再変換する
5 受信側に声が伝わる

使用期限までに無線局を廃止するか、使用期限以降において引き続き簡易無線局を使用する場合は、デジタル方式の簡易無線局に買換えなどが必要となります。

詳細については、総務省の総合通信基盤局電波部移動通信課より発表されておりますので、下記リンクをご確認ください。

デジタル無線とは?アナログ無線との違いや移行が必要な理由を解説

 

アンテナの種類

アンテナにはさまざまな種類があり、用途や対応する電波・電気信号に応じて使い分けられています。アンテナに使われている金属のパイプをエレメント(素子)と呼び、種類によって本数や形状が異なります。

【代表的なアンテナの種類と使用例】

ホイップアンテナ

垂直方向に立った1本のエレメントが特徴。設置が簡単で、汎用アンテナとして幅広く使われている。

例:自動車・トランシーバー・ラジオ

八木・宇田アンテナ

3本以上の複数のエレメントで構成され、魚の骨のような形が特徴。TV視聴の為、家の屋根に付けていることも多い。

例:地上デジタル放送のアンテナ

パラボラアンテナ

お椀のような形をした反射物の中心部にエレメントが複数本付いている。

例:テレビの衛星放送・衛星中継

各アンテナは、大きく分けて、志向性と無指向性の2種類に分類できます。指向性とは、特定方向にのみ電波が放射されるタイプのアンテナです。パラボラアンテナや八木・宇田アンテナは指向性アンテナに含まれます。特定方向にのみ受送信を限定できるため、1対1で効率よく電波を送受信するテレビ放送などに向いています。

無指向性アンテナとは、全方位に均等に電波が放射されるタイプのアンテナです。ホイップアンテナは無指向性アンテナの1種です。移動するものが交信する際には、無指向性アンテナが向いています。

 

アンテナが送受信する電波の特徴

電波とは、周波数が300万MHz(メガヘルツ)の電磁波のことです。電磁波とは電気が流れる物の周辺に生じる波で、波の大きさを数値で表したものを「周波数」と呼び「Hz(ヘルツ)」という単位で表します。

電波に分類される300万MHz以下の電磁波は、赤外線・可視光線・紫外線・X線などと比べ、比較的周波数が低いです。電波には、以下のような特徴があります。

 

障害物で反射したり回り込んだりする

電波には障害物に当たると跳ね返る「反射」や、通り道がふさがれた場合に障害物を回り込んで進む「回折」という性質があります。

電波には通り抜けられるものと通りにくいものがあります。基本的には、紙・木・ガラスなどは通り抜けられるものの、金属やビルの壁などは通り抜けられず、反射によって方向を変えて進みます。

また、障害物が存在する場合、障害物の形に沿うように電波は移動し、障害物の端に達した時点で再び広がります。反射や回折によって、建物などの陰に互いが隠れている場合でも、通信を行うことが可能です。

 

距離が離れると弱くなる

電波は、発信された時の強さのままどこまでも進んでいく訳ではなく、ある程度の距離を進むと、一定の割合で減衰します。光が光源から離れると徐々に弱くなっていくように、電波も電波を出している基地局や電子機器から離れれば離れるほど弱まります。遠距離の相手と無線通信を行う場合、音声の途切れや映像の乱れが発生するのは、電波が減衰し、受け取った電波の一部を電気信号に戻せなくなったことが原因です。

また、回折や反射によって移動距離が増えたり、物体を通り抜けたりする場合でも電波は減衰します。ほかにも、水中では電波はより減衰しやすくなるため、風呂場でスマートフォンを利用すると、通話ができなくなるケースがあります。

 

電波同士で干渉する

電波干渉とは、同じ周波数の電波同士がぶつかり合い、お互いに影響を与える現象のことです。電波干渉が起こると電波が不安定になり、つながりにくくなる・通信速度が落ちる・音声や映像が乱れるといった問題が起こります。

例としては、電子レンジのそばでは、同じマイクロ波を使用するWi-Fiがつながりにくくなる、などの現象が挙げられます。

 

周波数によって特徴が変わる

電波が使われている場所は、衛星通信・レーダー・防災無線・携帯電話・TV・ラジオ・トランシーバー・電波時計・無線LAN・Bluetoothなどさまざまです。電波は周波数により異なる特性を持ち、周波数の大きさごとに呼称がつけられ、特徴に応じて使い分けられています。

【電波の呼称】

名称 周波数 特徴・活用例
超長波(VLF) 3kHz~30kHz

波長が長く、水中や山を越えて伝わる

例:潜水艦の通信など

長波(LF) 30kHz~300kHz

地表を伝わり反射しやすく遠くまで伝わる

例:ヨーロッパやアフリカの一部のラジオ放送・電波時計など

中波(MF) 300kHz~3MHz

昼間よりも夜の方が遠くまで伝わる。ほかの電気機器からの影響を受けやすい

例:AMラジオ・船舶通信など

短波(HF) 3MHz~30MHz

高度100~400kmに存在する電離層に反射するため、地球の裏側まで伝わる。長距離通信に利用される

例:国際線航空機の通信・遠洋船舶の通信・国際放送・アマチュア無線など

超短波(VHF) 30MHz~300MHz

直進性が強く、山や建物の陰にある程度回り込んで伝わり、短波に比べ多くの情報を送れる

例:FMラジオ放送、警察無線、防災無線など

極超短波(UHF) 300MHz~3GHz

超短波よりも高速で多くの情報が送れる

例:業務用無線・地上デジタルテレビ放送・携帯電話・無線LANなど

マイクロ波(SHF) 3GHz~30GHz

光に似た性質を持ち、特定の方向に向けて強い電波を放つのに向いている

例:衛星放送・無線LAN・レーダーなど

ミリ波(EHF) 30GHz~300GHz

マイクロ波よりも多くの情報を送れるが、天候の影響を受けやすい

例:簡易無線・人工衛星との通信・レーダー・電波望遠鏡など

サブミリ波 300GHz~3THz

現代の技術では巨大な設備が必要となることから通信用にはほぼ利用されていない

例:電波望遠鏡など

 

電波を利用するときのルール「電波法」

日本には、無線通信の混信を防ぎ、電波の効率的な利用を確保するために「電波法」という法律があります。電波は干渉する特性があり、ルールなく電波を利用した場合、お互いに円滑に通信を行えません。よって、電波法により規制が行われています。

電波法は、スマートフォン・テレビ・ラジオ・無線機など日常のさまざまな場面で使われる電波を、公平かつ能率的に利用するための法律です。その中で、無線機の利用を検討している方が知っておくべき内容は以下の通りです。

【電波法の主な内容】

  • 電波を利用する機器には技適マークが必須
  • 一部の無線機は、技適マークに加えて無線局の免許が必要
  • 無線局の開設、運用には総務大臣の免許または登録が必要

全106条からなる電波法には、無線局の免許や電波の利用状況調査など電波を利用するためのルールが細かく定められています。

 

すべての無線機に免許は必要?

無線機を利用する際、すべての機器に免許が必要という訳ではありません。

特定小電力トランシーバーは、出力が非常に小さいため、技術基準に適合した機器であれば個別の免許は不要です。
IP無線機は、事業者が包括免許を取得している為、エンドユーザーである使用者が個別に免許を取得する必要がありません。

このように背景はことなりますが、特定小電力トランシーバーとIP無線機はいずれも「個別の無線局免許を申請取得する必要がない」ため、免許不要の無線機、ということになります。

また、免許ではなく「登録」が必要なタイプの簡易業務用無線機(登録局)がありますが、こちらはレンタルを利用すれば登録手続きなしでの利用も可能です。通常は貸し出し側の業者が登録と開設届を行っているため、借り主(使用者)はその手続きを行うことなく使用できるのです。

業務用無線機はより出力が高いため、特定小電力トランシーバーでは通信が難しい距離でも利用できるほか、災害に強いなどの特徴があります。手軽に業務用無線機を使いたい場合は、レンタルを活用しましょう。

 

まとめ

アンテナとは、入力された電気信号を電波へと変換し、空間に放出して送信するとともに、空間に放出された電波を受信し、再び電気信号に戻す装置です。アンテナには指向性と無指向性の2種類があり、無線機に使用されるのは無指向性のホイップアンテナです。

アンテナが送受信する電波には反射・回折や減衰・干渉といった特性があります。特に電波の干渉を防ぎ、無線通信を円滑に行うために、「電波法」によって電波の利用は厳格に規制されています。規制には、無線局の開設や運用、一部無線機の利用への免許義務付けなどが含まれる一方で、すべての無線機に免許が必要なわけではありません。また、免許が必要な無線機であっても、レンタルを利用すれば資格なしでの利用も可能です。気軽に無線機を利用したい方は、ぜひ無線機レンタルをご利用ください。

レントシーバーの無線機レンタルプランについて詳しくはこちら

 

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