無線機は災害時に活躍する?
無線機・トランシーバーは災害時に活躍するか?
答えはもちろん「YES」です。
日本は以前から「災害大国」といわれており、地震や台風などの被害が他国にくらべて多い傾向にありました。
それが近年は特に地球温暖化の影響とされる風水害の発生頻度も高くなり、今やいつどこで何が起きてもおかしくないといわれる状況にあります。
人命そして財産を守るためには、災害に対して必要な行動をとるためにいかに速く正確な情報を伝えるかが重要です。
そこで近年再注目されているのが、無線機・トランシーバーです。
このページでは無線機・トランシーバーの災害時における強み、使い方、備えについてのポイントをご紹介します。
※ページ内に一部外部サイト(トランシーバーの通販サイト RadioOnline)へのリンクがあります。
オプション品など、レンタルトランシーバー関連商品紹介のためのリンクですので、予めご了承ください。
災害発生時に必要とされること
まず最初に、無線機・トランシーバーはそれ自体が災害を防止したり対策できたりするものではありません。
自然災害でも人為災害でも、その対応は人が行うものです。
災害多発地域や、頻発地域、そして予測されるところでは災害発生時の対応をシステムが担う場合もありますが、要所では必ず人が介在します。
そして伝えるべき情報 「5W1H」
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが /あるいは何が)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
を必要な相手に届けます。
このとき、無線機・トランシーバーを通信手段とすることで、
- 急を要する情報を、
- 人と人の間に距離がある場合も、
- 複数の人に一斉に伝えなければならない場合も、
スピーディに簡単に伝達することが可能になります。
これを人が人力だけでできるかというと、走り回ったり、大声で叫んだり、あちらこちらにいるひとを探し回ったり、と想像しただけで疲れる、そして到底無理だと思えるものですが 無線機・トランシーバーを使うとそれがワンプッシュ、ボタンを押して話すだけで済むことになるのです。
無線機・トランシーバーの特長、メリット
ではなぜそこで無線機・トランシーバーなのか?その理由が聞きたい、知りたいとなりますよね。
無線機・トランシーバーの特長 は下記のとおりです。
●通話操作が簡単
(基本的に通話ボタンを押して話すだけ、で伝えられる。)
急いで状況を伝えたいときや報告したいとき、通話ボタンを押して話すだけなのでスマホで連絡先を探して、掛けて、相手が出るまで待つ必要がありません。
また電話のように」「かけ間違った!」や、この人がダメなら次はあの人に掛けて…と伝える相手を求めて時間が過ぎることもありません。
●一対多数に同報
(複数の人に同時に伝えられる。携帯電話・スマホ含む電話は基本一対一の通話。)
災害発生時には多くの人に同時に情報を伝えたい場合が考えられます。
伝えるべき相手が1人しかいないことはあまりないでしょう。
もし相手方が1人なら電話でも問題ないかもしれません。
しかし複数を相手に情報共有するなら同報のメリットは計り知れません。
伝言ゲームになってしまうと、確認や訂正で貴重な時間をロスすることも多いでしょうし、場合によっては大変な事態につながることもありますが、大勢で、全員でリアルタイムに情報を共有できるとそういったロスを軽減することができます。
●通話料は不要
(IP無線機などを除いて、特定小電力トランシーバーや簡易無線などはランニングコストがかからない。)
災害発生時でも、場合によっては通話料・利用料が気になって連絡を躊躇する人がいるかもしれません。
しかし無線機・トランシーバーなら通話料を気にすることなく、必要な時にすぐに使うことができます。
●他に依存しない自営通信
(携帯電話のような事業者通信網を利用せず無線機同士が直接電波をやりとりする。IP無線などは除く) 特定小電力トランシーバーや簡易無線(免許局や登録局)などは事業者通信網・インフラに頼らない直接通信です。
災害発生時、通信網がダウンしたり、通信制限がかかったりすると固定電話や携帯電話、IP無線などは使えなくなる場合がありますが、自営通信の場合は電源が尽きない限りその心配がなく、いつでも使うことができます。
反対に ・会場が広く携帯機ではカバーしきれないエリアがある ・特定の人が定位置にいて指示を出したりまとめたりする など 据置型が適している場合もあります。
しかしそうでない場合、据置型より携帯機のほうが機動性にも優れていますので、レンタルされる目的に特に基地局を必要とされる条件がなければ、携帯型がおすすめです。
よく比較される携帯電話・スマホと無線機・トランシーバーのちがい
無線機・トランシーバーは音声・言葉で伝える分、電話などと比べて迅速に簡潔に要点を伝えることが可能です。
「災害発生時に強いのはTwitterじゃない?携帯があれば十分」なんてことも言われたりします。
確かに携帯会社の通信網が問題なく使えて、また個人が情報発信・共有する分にはそれでも良いでしょう。
ただ、無線機・トランシーバーは個人より複数、業務用としてその強みを発揮するものです。
一対多数に同報できる、という言葉だけ聞くと 携帯電話・スマホでも同じことができるように思われるかも知れませんが 携帯電話やスマホの場合はテキスト・文字や画像でのやりとりが主になります。
情報量としてはテキストや画像のほうが伝えられる内容は多いですし、一目瞭然な面もありますが、無線機・トランシーバーは音声・言葉で伝える分、迅速に簡潔に要点を伝えることに特化します。
テキストを入力し、画像を添えて送る または画像だけを送るより早く必要な相手に必要な情報を届けられます。
また、画像の威力は大きいのですが、情報量が多すぎて伝えたい情報が相手に正確に伝わらない場合もあります。
情報以外で比較すると、無線機・トランシーバーの場合、情報を伝える側も受けて動く側も、何かをしながら、動きながら通信ができるのに対し、電話は常に手がふさがった状態になります。 通信以外の行動を並行するには困難な面は否めないでしょう。
さらに、SNSではよくあるデマの拡散などもありますが、直接信頼できる相手との通信を行う無線機・トランシーバーの場合は、そのような心配がありません。
電話、スマホなどと無線機・トランシーバーそのどちらかが絶対的に優れている、というのではなく、特に災害発生時に必要な情報を迅速に伝える、そして個人より複数の人が状況を把握し、対策・行動を取るためには無線機・トランシーバーでの通信が適している、そういった点に違いがあるのです。
災害時対策用、連絡用としての無線機・トランシーバーの選び方と使用の際の注意点
災害対策、災害発生時の連絡用に限りませんが、無線機・トランシーバーを選ぶときはまず、通信を行う距離を確認します。
必要な距離を満たし且つ通信が可能なもの(システム)が最優先され、その他に条件があればそれが可能なものを選ぶことになります。
通信距離が短いものから順に
近距離
(~200mほど):特定小電力トランシーバー
(~500mほど):小電力デジタルコミュニティ無線機 ※外部サイトにリンクします
中距離
(~2kmほど):デジタル簡易無線1~2.5Wタイプ(登録局) ※外部サイトにリンクします
長距離
(~5kmほど):デジタル簡易無線5Wタイプ(免許局・登録局)
(~10kmほど) デジタル簡易無線5Wタイプ車載型
広域
(~全国):IPトランシーバー 衛星通信トランシーバー
距離については、見通しが良い、遮蔽物がない場合と市街地などビルや遮蔽物等が多い場合で異なります。
またご使用になる環境によっても異なります。
基本的に距離が長く、通話エリアが広くなるにしたがって機器費用やランニングコストがかかるなど費用面は高くなります。
また、機器自体も大きく重くなります。
特定小電力トランシーバーの通信距離は最も短いのですが、免許不要で誰でも購入してすぐ使えることができます。
ほとんどの機種で乾電池が使えるため、使いやすさ・手軽さでは一番です。
では特定小電力トランシーバー以外は?充電池を使うものが多い‥ほとんどなので、ポータブル電源など非常用電源を用意しておくのがおすすめです。
電源確保、充電さえできればいつもどおりに問題なくお使い頂けます。
電池切れになってしまうと、せっかく便利な無線機がただのハコになってしまいますしね。
特定小電力トランシーバー、小電力デジタルコミュニティ無線機やデジタル簡易無線(登録局)については、だれでも簡単に使えるように設定されています。
そのため近くで同じタイプの無線機を使用していると通信ができなくなるというキャリアセンス機能があります。
その仕様がゆえに環境によっては混信しがちで通信がしにくい状況になることがある点も留意点です。
そうはいっても特定小電力トランシーバーや登録局は、必要に応じてレンタルで台数を増やせる点が大きなメリットです。
平時と繁忙期の使い分けをあらかじめ決めておけば 無線機・トランシーバーを全く持たない場合とは違う使い方で運用することは可能です。
選ぶ段階で迷ったときは、販売店に問合せていただくと条件にあわせた最適な機種、構成を提案してくれますよ。
まとめ・レンタル無線機・レンタルトランシーバーは災害対策として有効か?
無線機・トランシーバーは災害時にかならず活躍します。
ではレンタル無線機・レンタルトランシーバーは災害時に使えるでしょうか。
そもそも災害はいつどこで起こるかわからないものなので「必要な時に必要なだけ借りる」レンタルは向いているか・・・といわれると正直に言って難しいところです。
ではありますが、レンタル無線機を借りて使っているときに災害が発生したら、それはもちろん有効に使っていただくことができます。
ただし、有効に使うためには レンタルした目的、用途の中に「災害発生時、非常時の使い方」を想定して頂く必要があります。
そもそもレンタルトランシーバーが必要な場合は大抵、非常事態も含めた運用を考えてレンタルされると思いますが、もし何事もない想定で使われている、また使おうとしているなら その点もぜひご検討ください。
また、災害対策として無線機導入・購入を検討しているがどれがよいかわからない という場合には テスト的にレンタルで借りてみる ということも有効です。
そして、イベントやレジャーでレンタルする場合も、当初の目的通りの使い方とあわせて非常事の運用を決めておくことで 万が一の事態への備えになりますよ。
「不測の事態に備える」という意味で、どの機種がご希望の使い方・距離などに適しているかを確認するため、訓練としても レンタル無線機・レンタルトランシーバーをぜひご利用ください。
距離・システム別レンタルプラン