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業務用のインカムの種類とは?業務に合ったインカムの選び方も解説

インカムとは、主に業務などで使用される無線通信機器のことです。ヘッドセットやイヤホンマイクを装着して、手を使わずに通信できます。それ以外にも、機種によっては複数人との同時通信が可能な点や、通話の秘匿性が高いといったメリットがあります。

当記事では、業務用のインカムの種類や、業務用インカムの選び方について詳しく紹介します。ビジネスシーンで使うインカムを探している方や、どのような種類を選んだらよいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

インカムとは

インカム(インターコミュニケーションシステム:Inter Communication System)とは、ヘッドセットやイヤホンマイクを着用して使用するタイプの無線機の通称です。インカムという用語には厳密な定義はなく、使用される状況や業界によって意味が異なることがあります。

ヘッドフォンとマイクが一体化した無線機や、トランシーバーにヘッドセットを装着した装置をインカムと呼ぶのが一般的です。インカムは使いやすく、多くの人が同時に通信できることから、ビジネスシーンやイベント現場などで、幅広く利用されています。特に手を使わずに通信したい場合や、動きながらコミュニケーションを取りたいシーンに向いています。

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インカムを業務で使用するメリット

インカムの使用には、以下のようにいくつかのメリットがあります。

・簡単に操作できる

多くのインカムはユーザーフレンドリーで、ボタンを押すだけで通話が開始できます。忙しい業務中や緊急時に素早い対応を必要とする場面で特に便利です。

・複数人と双方向で通信できる機種が多い

チーム内の複数のメンバーと同時にコミュニケーションを取ることが可能になり、効率的な作業が行えます。ただし、すべてのインカムがこの機能を備えているわけではないので、購入前・レンタル前の確認が重要です。

・会話の秘匿性が高い

ヘッドセットやイヤホンマイクを使うことで、周囲に聞かれずにプライベートな会話を行えます。顧客対応や機密情報を扱う際にも適しているでしょう。

 

業務用のインカムの種類

業務用のインカムとしては、同時に両方向のデータ転送が可能な通信方式である「複信方式」で通信可能な、ハンズフリーの無線機が利用される場合がほとんどです。以下では、業務用のインカムの種類として、代表的なものを3つ紹介します。

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特定小電力トランシーバー

特定小電力トランシーバーは送信出力が0.01ワット以下の無線機で、簡単に操作が可能な業務用無線機の一種です。

特定小電力トランシーバーの主な特徴
  • 免許や登録が不要である
  • 出力が低いため、他の無線機との干渉のリスクが低く、利用者にとっては手軽に使える
  • 通信距離は、100~200m
  • 飲食店、小売店、イベント現場などさまざまなビジネスシーンで活用されている
  • 低コストで導入でき、バッテリーの持ちもよい

遮蔽物があると通信が困難になる場合もあるため、使う場所によっては事前のテストが推奨されます。中継器に対応しているモデルであれば、中継器の使用によって通信範囲を拡大することも可能です。

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簡易業務用無線機

簡易業務用無線機は、業務用通信に使用できる無線機の中でも、簡易な業務向けの無線機です。利用にあたっては無線従事者資格が不要である一方、免許局あるいは登録局への申請が必要です。

簡易業務用無線機の主な特徴
  • 広範囲で通信が可能で、屋内外を問わず利用できる
  • 通信距離は、1~4km
  • 無線従事者資格は不要
  • 使用方法も比較的簡単
  • 大規模な施設での警備や屋内外でのイベント運営など、広範囲でのコミュニケーションが必要なシーンで向いている

簡易業務用無線機は、特定小電力トランシーバーと比べるとサイズがやや大きく、バッテリーの消耗が早いという特徴もあります。また、両方向での通信が可能なものはない点に注意しましょう。

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IP無線機

IP無線機も、業務用インカムの一種とされ、携帯電話やWi-Fiのデータ回線を利用しているため、広範囲での通信が可能な無線機です。

IP無線機の主な特徴
  • 携帯電話のデータ通信網を利用して音声を伝送する
  • 通信距離は、国内の携帯電話キャリアが通信を提供する範囲内
  • 資格や免許が不要
  • グループ通信や個別通信も可能

IP無線機は、広範囲にわたる業務、たとえば市や県をまたぐようなマラソン大会のようなイベントや、広大な敷地・施設での使用などに特に適しているでしょう。

なお、IP無線機を利用するためには、携帯電話のデータ通信プランに準じた定額の月額コストがかかります。したがって、IP無線機を購入する場合、購入費やメンテナンス費用以外にも通信コストが必要になる点に注意してください。レンタルで利用する場合は、通話料や月額コストは不要です。

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業務用インカムの選び方

業務用インカムは、種類によって得意としているシーンや、メリット・デメリットが異なります。最後に、業務用インカムの選び方について3つの視点から解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

通信距離から選ぶ

無線機は、それぞれ通信距離が異なるので、業務の性質や使用環境に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。

特定小電力トランシーバーは、比較的短い距離(100~200m)の通信に適しています。主に店舗や小規模なイベント会場など、限られた範囲内での使用に最適です。遮蔽物が多い環境では通信しにくくなる点に注意しましょう。

簡易業務用無線機は、おおよそ1~4kmの範囲で通信でき、大規模な施設や広範囲のイベントでの使用に適しています。IP無線機は、国内で携帯電話が通信可能な範囲内であれば、基本的にどこでも通信できます。

 

業種から選ぶ

業種や業務環境によっても、向いているインカムが異なります。

たとえば、屋内で使用する飲食店や小売店では、特定小電力トランシーバーが適しています。通信距離が比較的短く、操作が簡単で、コストも低いため、限られた空間内でのコミュニケーションに最適です。

屋外や広範囲をカバーする必要がある業種、たとえば建設現場やイベント警備では、より長い通信距離に対応した、簡易業務用無線機が好ましいでしょう。また、屋外で使用する場合は、防水機能が付帯したインカムを選ぶことがおすすめです。

ハイキングや登山用の場合は、特定小電力トランシーバーだと場所によっては通信できない可能性があるので、デジタル簡易無線のほうが一般的には向いています。

 

コストで選ぶ

種類や機能によって初期コストやランニングコストは大きく異なるので、使用目的や期間に応じて最適な選択をするとよいでしょう。

特定小電力トランシーバーは、通信距離が比較的短いものの、初期コストが低くランニングコストがほとんどかかりません。価格は1台あたり1万円から3万円程度が一般的です。

簡易業務用無線機は、より広範囲での通信が可能ですが、初期コストが高く、免許取得や登録のためのコストも考慮する必要があります。価格は1台あたり5万円から10万円程度です。

IP無線機は、全国規模で通信が可能であるため、広範囲での業務に適していますが、携帯電話のデータ通信料がランニングコストとして発生します。価格は1台あたり6万円から12万円程度です。

※これらのコストは目安であり、機能や性能によって価格は変動します。

また、短期間の利用の場合はレンタルサービスを利用すれば、コストを抑えてインカムを使うことが可能です。特定小電力トランシーバーや簡易業務用無線機などを1日単位で借りられるため、イベントや一時的な業務に便利です。

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まとめ

業務用のインカムには、主に3つの種類があります。「特定小電力トランシーバー」は、免許不要で、比較的短い距離(100~200m)で使用できます。「簡易業務用無線機」は、より広範囲(1~4km)で使用でき、使用にあたっては登録局または免許局への申請が必要です。「IP無線機」は、携帯電話のデータ通信網を使用しているため、全国規模で通信が可能です。

通信距離、機能、コストなどを確認しながら、利用シーンに応じて最適なインカムをぜひお選びください。

 

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