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免許不要で使用できる無線機はある?条件や種類を徹底解説

無線機の使用に免許が必要な主な理由は、電波という有限な公共資源の効率的かつ公平な利用を保証するためです。総務省は、免許制度を通じて、電波の利用者間での干渉を防ぎ、通信の品質を維持しています。また、無線機が技術基準に適合していることを確認し、安全で信頼性の高い通信環境を確保するのも目的の1つです。

当記事では、無線機の使用に免許が必要な理由に加え、免許が不要な無線機の条件や免許が不要な無線機の種類について紹介します。

 

無線機の使用には免許が必要

無線機の使用には一定の規制があり、多くの場合、無線局の開設と運用には「無線局免許」が必要です。電波法でも以下のように定められています。

第四条 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。

引用:e-gov法令検索「電波法」 引用日2023/12/22

例外として、市民ラジオや微弱無線局、一部の無線設備は免許が不要です。

また、無線局免許を取得する大まかなプロセスは、以下の通りです。

1総務省に無線局の目的、設置場所、無線機の設計などの詳細について資料を提出し、申請を行います。
2申請書類が総務省で審査され、無線機が技術基準に適合し、周波数の割り当てが可能であることなどが確認されます。
3審査を通過すると、予備免許が与えられます。設置工事が完了した後には落成検査を受ける必要があります。小規模な無線局や特定の無線設備を使用する場合、予備免許や検査が省略されることがあります。
4落成検査に合格すれば、免許状が交付されます。

出典:総務省 電波利用ホームページ「免許」

なお、免許には有効期間が設けられており、例えばアマチュア無線局の場合は5年ごとの更新が必要です。免許の取得には手数料がかかり、無線機の出力や申請方法によって異なります。

【無線局の免許申請手続きに必要な手数料(円)※無線局の種別:その他の無線局】

基本送信機の規模1ワット以下のもの1ワットを超え5ワット以下のもの5ワットを超え10ワット以下のもの10ワットを超え50ワット以下のもの50ワットを超え500ワット以下のもの500ワットを超えるもの
新規免許申請手数料
(電子申請の際の手数料)
3,550
(2,550)
4,250
(3,050)
6,700
(4,500)
14,600
(10,400)
25,500
(17,000)
30,200
(19,300)
再免許の申請手数料
(電子申請の際の手数料)
1,950
(1,500)
3,350
(2,400)
4,950
(3,250)
6,700
(4,500)
9,700
(6,500)
12,700
(8,700)
基本送信機の
規模
新規免許申請手数料 (電子申請の際の手数料)再免許の申請手数料 (電子申請の際の手数料)
1ワット
以下のもの
3,550
(2,550)
1,950
(1,500)
1ワットを超え5ワット
以下のもの
4,250
(3,050)
3,350
(2,400)
5ワットを超え10ワット
以下のもの
6,700
(4,500)
4,950
(3,250)
10ワットを超え50ワット
以下のもの
14,600
(10,400)
6,700
(4,500)
50ワットを超え500ワット
以下のもの
25,500
(17,000)
9,700
(6,500)
500ワットを
超えるもの
30,200
(19,300)
12,700
(8,700)

出典:総務省 電波利用ホームページ「免許申請手数料一覧(平成20年4月1日 施行)」

 

無線機の使用に免許が必要な理由

無線機の使用に免許が必要なのは、電波という有限な資源を効率的に管理し、通信の混信や妨害を防ぐためです。電波は、携帯電話やテレビ、ラジオなど多様な通信手段で用いられ、それぞれ異なる周波数帯を利用します。周波数の利用できる範囲は限定されているため、調整なしで自由に使われると、電波同士が干渉し合い、通信障害を引き起こす恐れがあります。

そのため、無線機を使う際には総務省が発行する免許が必要とされ、その過程で無線機が技術基準に適合しているかも確認されます。ただし、特定の小規模な無線機器には、事前に基準認証を受けた製品に限り、検査手続きが省略される特例があります。これは、利便性と安全性を両立させるための措置です。

 

免許が不要な無線機の条件

無線機の免許を取得する場合、時間や金銭的なコストがかかります。ただし、特定の条件を満たしている無線機に関しては、免許不要で使用が可能です。以下では、その4つのケースについて紹介します。

 

電波が微弱である

非常に弱い電波を使う無線機は、影響が限定的で、ほかの通信手段と干渉するリスクが低いとされ、厳格な管理は必要ないことから、免許や登録の手続きは省略されます。

この措置は、国や無線機の利用者にかかる管理の手間とコストを削減する目的もあります。たとえば、すべての微弱な電波を使用する無線機に免許を要求すると、その手続きや管理にかかる負担が大きくなります。したがって、微弱な電波を使う無線機は、実用上の必要性と管理の現実性を考慮して免許不要とされています。

 

小電力であり特定の用途に使用する

免許が不要な無線機の条件の1つとして「小電力であり特定の用途に使用する」という点があります。この基準は、限られた電波資源の効率的な利用と、ほかの通信手段との干渉を防ぐために設けられています。具体的には、電波法に定められた小電力無線局がこれに該当し、空中線電力が1W以下の無線局が免許不要とされています。

小電力無線局は、工場やビル、家庭内など比較的狭い範囲内で使用される無線通信に適しており、雑音に弱い微弱無線局の代わりとして利用されています。これらの無線局は、技術基準適合証明等を受けた適合表示無線設備の必要がありますが、無線局免許や無線従事者資格は必要ありません。

小電力無線局には、コードレス電話、特定小電力無線局(医療用テレメーター、無線呼出し、ラジオマイクなど)、セキュリティシステム、データ通信システム(無線LAN、Bluetoothなど)など多様な用途があります。これらは、免許の申請や更新が不要なため、幅広く利用されています。

 

携帯電話の電波を使用している

基地局側が電波を管理している携帯電話、および携帯電話の電波を利用する通信機器も、利用者側は免許が不要です。

携帯電話は無線機として電波を使用しますが、この電波の設定や管理は利用者ではなく、事業者側、つまり携帯電話の基地局で行われます。基地局では、通信会社の社員が無線従事者として選任され、電波の周波数や電力の設定を管理しています。

一方で、携帯電話の利用者は、電波の具体的な設定を操作することはありません。通話やデータ通信はすべて基地局の制御下で行われるため、利用者が無線従事者の資格を持つ必要はなく、免許も不要です。この仕組みにより、携帯電話は一般の人々に広く普及しており、日常的に利用されています。同様に、携帯電話の電波を使用する無線機も免許不要で使用できます。

無線通信に重要な基地局とは?仕組みや種類・無線機使用のメリットも

 

登録局の無線機をレンタルしている

簡易無線局の登録局に登録された簡易無線機をレンタルする場合、利用者は個別に免許を取得する必要がありません。これは、レンタルされる無線機が既に総務省に登録されており、運用に必要なすべての手続きがレンタル業者によって事前に行われているためです。レンタル業者は、登録局として無線機の適正な運用方法や法令の遵守に関する説明を利用者に提供し、無線機の使用に関する情報を総務省に報告します。

利用者はレンタル業者から無線機を借りるだけで、複雑な免許申請や資格取得のプロセスを経る必要がなく、簡単に無線機を使用できます。イベントや一時的な使用など、短期間の無線機利用に特に適しているでしょう。

免許局の無線機は、レンタルでの運用はできません。

デジタル簡易無線機の免許局とは?申請方法や登録局との違いも解説

 

免許が不要な無線機の種類

免許が不要な無線機の具体例としては、特定小電力トランシーバーと、IP無線機があります。

特定小電力トランシーバーは、出力が非常に低く、通信距離も短めですが、その分操作が簡単で気軽に使用できるのが魅力です。特に、狭い範囲内でのコミュニケーション、例えばレストランや小規模なイベント会場などで効果的に活用できます。

一方で、IP無線機は携帯電話のデータ通信網を使用して通信を行います。そのため、携帯電話の電波が届く範囲内であれば、どこでも使用可能で、通信距離に制限がありません。広範囲での業務や、長距離を移動しながらのコミュニケーションに最適です。しかし、月額の通信費がかかる点や、携帯電話の電波が届かない場所での使用が基本的にできない点に注意が必要です。

IP無線機とは?特徴・活用シーン・注意点も紹介

 

まとめ

電波は限られた資源であり、その使用を適切に管理する必要があるため、無線機の使用には免許が必要とされています。これによって、無線通信がスムーズに行われ、日常生活における通信の安定を保つことができます。

一方で、電波が微弱であったり、小電力かつ特定の用途に使用するものであったりする場合は、免許が不要です。免許が不要で使える無線機としては、特定小電力トランシーバーやIP無線機などが代表例として挙げられます。

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IP無線機のレンタルはこちら

 

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